東南アジアの深みにハマった人のブログ

旅が好き。10年前に東南アジアに魅せられ、そこからは暇があれば行くようになりました。当ブログは、東南アジアに関する事や英語の学習方法、技能実習生に関する事をメインに紹介していきます。

外国人労働者(技能実習生)のリアル

 

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本日、テレビを見ていたら、

外国人労働者(技能実習生)についての番組をやっていました。

 

 

 

 

 

 

日曜日の夕方にやっている、バン●シャと言う番組ですね。

 

 

 

私も、外国人労働者(技能実習生)と密接な仕事をしているので、

彼らの現状を人よりは知っている方だと思います。

 

 

 

そもそも、技能実習制度とは・・・

 

技能実習制度および外国人研修制度とは、「技能実習」あるいは「研修」の在留資格で日本に在留する外国人が報酬を伴う技能実習あるいは研修を行う制度である。しかし、労働条件や給与に対する待遇などの問題から、国際的な批判の対象ともなっている。    

Wikipedia 技能実習生より一部抜粋

 

 

少し難しい文章なので、簡単に言い換えると、

 

 

技能実習生とは

 

外国人に、日本の会社の技能を学んでもらう為の制度。

彼らは日本で給与をもらいながら、最長5年間働くことができる。

 

 

 

 

 

以後、当記事では"外国人労働者"ではなく"技能実習生"と呼びます。

 

 

 

当記事では、番組内で紹介されていた事をサラッと紹介し、

現状について少し踏み込んだ所を書いていきます。

 

 

 

 

 

 

番組のおさらい

 

 

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まず、番組の内容を簡単に紹介します。

 

 

①会社が技能実習生用の寮を用意し、環境を整えている

 

技能実習生の為に、4年ほど前に寮を新築。

現在はインドネシア人の実習生6~7人が暮らしている。

彼らの住環境を整えている会社の紹介。

 

 

 

②人手不足の農業分野で、5年ほどベトナム人を雇用している会社

 

一次産業の農業は、日本人に不人気の為人手が常に不足している。

10年以上前から技能実習生制度は利用しており、

近年ではベトナム人を採用している会社の紹介。

彼らの月収は14万ほどで、そのうち10万円ほどを自国に送金している。

 

 

③以前までの技能実習生は中国人が多かったが、最近はベトナム人がそれを上回っている

 

中国人の収入が上がってきたので、中国人は減少傾向。

代わりにベトナム人が増えてきている。

 

 

④勤務先の待遇が悪く、失踪。現在はNPO団体に保護され別の会社で働いている女性

 

以前の勤務先の給与が手取りで3万円。

時給勤務で、長時間働くことができず。

送り出し機関(技能実習生の職業専門学校のような所)に借金が90万ほどあり、

このままでは借金を返すことができないので、失踪する道を選んだ。

現在は別の会社を紹介してもらい、そこで働いている。

 

 

技能実習生と受け入れ側の体制について

 

最後に、地域の小さなイベントで、

焼きそばを地元民にふるまう様子の紹介。

彼らは、日本語がうまくありませんでしたが、

笑顔で楽しんでいるように見えました。

 

 

 

 

以上です。

 

 

 

一つ一つを振り返ってみましょう。

 

 

 

①会社が技能実習生用の寮を用意し、生活環境を整えている

 

 

基本的には、会社がアパートを借り上げて、

毎月の給与から寮費や光熱費として差し引くのが通常です。

 

 

寮を建設した会社は始めて聞きました。

 

 

物質的な援助をすればいいと言う訳ではありませんが、

こういった設備投資ができるのは、彼らを思う気持ちがあっての事。

 

 

 

 なかなか普通の会社ではできない事ですね。

 

 

 

 

 

 

②人手不足の農業分野で、5年ほどベトナム人を雇用している会社

 

また、

 

③以前までの技能実習生は中国人が多かったが、最近はベトナム人がそれを上回っている

 

 

確かに、最近は中国人よりベトナム人の方が多いです。

 

 

・2016年のベトナム人技能実習生が43779人

・2016年の中国人技能実習生が32889人

 

 参考:ジャバチBLOG

 

 

今後も中国人は減り続け、ベトナムもしくは

他の国の人数が増えてくると思います。

 

 

 

番組で紹介されていた彼らの月収は14万で送金10万との事でしたが、

送金10万円というのは、一つの目安となっているようです。

 

 

毎月10万円送金して、残るのは約4万円。

 

 

寮費や光熱費は差し引かれているとは言え、

1日1,000円ちょっとで過ごしているのです。

 

 

彼らは基本的に時給で働いていますので、

GWがある5月や日数が少ない2月は、

14万円も稼げない事もあります。

 

 

 

④勤務先の待遇が悪く、失踪。現在はNPO団体に保護され別の会社で働いている女性

 

 

ここが、技能実習制度の最大の問題です。

 

先ほども言った通り、技能実習生は基本的に時給で雇われています。

 

 

勤務先が仕事をさせてくれなければ、

彼らは稼ぐ事ができないのです。

 

 

 

さらに、実際起こっている問題はこれだけではありません。

 

 

給与に関する事や、実習生の扱い方など・・・。 

 

 

問題は多岐にわたります。

 

受け入れ態勢を見直すべき会社は、非常に多いです。

 

 

 

 

 

一方で、技能実習生側にも問題があるのも事実

 

 

 

マンネリ化によって仕事への意欲が低下したり、

他の会社との待遇の違いを言って改善を要求したりなど。

  

 

両者の問題を解決していく必要があると、私は感じます。

 

 

 

技能実習生と受け入れ側の体制について

 

 

最後に、技能実習生が地方住民と触れ合う様子が登場しました。

 

 

私はこの様子に、今後の付き合い方の一つのヒントがあるような気がしました。

 

  

 

 

技能実習生との対話や触れ合いが少ないせいで、

技能実習生との距離が大きく開いている会社も少なくありません。

 

 

 

技能実習生側にも問題があるのは、もちろん理解していますが、

今起こっている問題の多くは、

 

”彼らと向き合う時間が圧倒的に少ないから”

 

という事に他なりません。

 

 

 

 

 

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言葉の問題はありますが、今はGoogleでも翻訳してくれますし、

送り出し機関に相談すれば通訳だって呼んでくれます。

 

 

私達は、本当に彼らを理解しようとしているでしょうか。

  

 

 

まず自分達の行動を顧みる事も必要なのではないかと、

こういった問題を見る度に私は思います。